編集長コラム

障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ

第89回 平昌パラリンピック、観戦しながら思い起こしてほしいこと

写真:狩野亮選手(左)・鈴木猛史選手(右) 平昌オリンピックが閉幕し、次はパラリンピックが始まります。私がパラリンピックに注目したのは2008年の北京からでした。当時から現在まで、パラリンピックやパラアスリートに対する人々の捉え方や感じ方は大きく変化してきました。

 08年、パラリンピックは世界的に「超エリートスポーツ」と言われる時代に入りました。それまでのリハビリスポーツ、競技スポーツを経て、オリンピックのように競技性の極めて高いスポーツとして位置づけられたのです。同時にこのころから、パラリンピックやパラスポーツはテレビや新聞に取り上げられる機会が増えました。

 その関心の多くは、スポーツの側面より、人物にありました。パラアスリートの人生に焦点を当て、彼らの様々なストーリーを追う視点が多かったのです。事故に遭う、絶望する......。家族や周囲の人、新しい出会いなどがある。そうした出来事を伝えていました。これらのストーリーは、障がいのある人への誤解や偏見を融かしていくのに、大いに効果がありました。

 当時、私はパラアスリートの記事や書籍を多く集め、一人ひとりが「障がい」に対して違う考え方を持っていることを知りました。例えば、ひとからげに「障がいを乗り越える」という言葉はまったく当てはまらないことを知らされました。

 乗り越えた人もいれば、乗り越えることはないと思っている人もいました。また乗り越えたくない、乗り越えるつもりはないという人もいたし、乗り越えられない、乗り越えるとはどういうことかわからないなど。ひとりずつ、みんな違うのです。

 この時期にこうしたことを教えられたことで、私自身の考え方も大きく変わりました。このころを第1の時代だったとしましょう。

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伊藤 数子(いとう かずこ)

挑戦者たち編集長
/NPO法人STAND代表理事

新潟県生まれ。1991年に車いす陸上を観戦したことがきっかけとなり、障害者スポーツの振興に携わるようになる。未来に向けて次代の選手・ファンを拡げていくために、障害者スポーツのスポーツとしてのおもしろさを伝えるウェブサイト「挑戦者たち」、障害者スポーツ競技大会のインターネットライブ中継「モバチュウ」、障害者スポーツ体験会などの事業を企業・団体と協働で展開している。2012年ロンドンパラリンピックでは日本選手たちの挑戦を伝えるウェブサイト「The Road to London」を開幕1年前に開設した。著書に「ようこそ、障害者スポーツへ -パラリンピックを目指すアスリートたち-」(廣済堂出版)など。

ロンドン2012パラリンピック 日本選手たちの挑戦 「The Road to London」

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