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5人制サッカー、快勝で白星発進 ~アジアパラ競技大会~

141021-2.jpg アジアパラ競技大会第3日の20日、5人制サッカー(視覚障害)では日本が初戦を迎え、タイに3-0で快勝した。前半にキャプテン落合啓士が先制ゴールを決めると、後半開始直後にチーム最年少の川村怜が2点目を入れる。さらは終盤に落合がダメ押しとなる自身2ゴール目を決めて、試合を決定づけた。「全試合無失点」を最大の目標に掲げる日本は明日の第2戦で強敵・中国と対戦する。

 前日に続いてメダルラッシュにわいたのは水泳陣だ。山田拓朗(NTTドコモ)が男子100メートル自由形(運動機能障害)を制し、50メートル自由形、200メートル個人メドレーに続いて3つ目の金メダルを獲得。前日に水泳陣の金メダル第1号となった木村敬一(東京ガス)も同種目(視覚障害)で優勝。さらにロンドンパラリンピック金メダリストで世界記録保持者の田中康大(あかね園)が男子100メートル平泳ぎ(知的障害)を制した。男子400メートル自由形(運動機能障害)では小山恭輔(コロプラスト)が金メダルを獲得した。前日女子自由形50メートル(運動機能障害)で優勝した池愛里(東京成徳大高)は、100メートル自由形では銀メダルとなった。

 陸上では前日男子5000メートル(視覚障害)を制した和田伸也(大阪府視覚障害者福祉協会)が1500メートル(同)でも金メダルを獲得した。男子100メートル(車椅子)の上与那原寛和(日本連盟)と、女子100メートル(脳性麻痺)の加藤有希(日立化成)は銀メダルとなった。ボッチャでは混合ペアで日本が銀メダルを獲得した。

 1次リーグ最終戦に臨んだ車椅子バスケットボール男子はアラブ首長国連邦(UAE)に88-27で圧勝し、通算3勝1敗として2位通過で準決勝にコマを進めた。ゴールボール女子は地元韓国に1-0で接戦を制し、今大会初白星を挙げた。
141021-1.jpg 日本選手団はこの日、金6、銀8、銅8の計20個のメダルを獲得。通算では、中国(115個)、韓国(54個)に続く52個となった。

○5人制サッカー(視覚障害)
魚住監督
タイも本当に強くていい選手もいたが、(日本の)選手たちが今までの練習を思い切り発揮してくれて、いいかたちでスタートできた。(初戦ということで)立ち上がりはかたい面があって、ディフェンスが少し崩れたところがあったが、それも後半に修正をして、試合としてはいいかたちで最後は進められた。明日は強敵の中国なので、自分たちが今までのつくってきた組織力のあるディフェンスを思い切り発揮して、とにかくゼロに抑えること。その中からカウンターで1点を」取って勝ちたい。

落合啓士
前半、チームがシュートで終わることができていなかったので、自分はしっかりとシュートで終わろうという気持ちでピッチに入った。最初のチャンスでしっかりと枠に飛ばせて、早い時間帯でゴールが決まったので、自分としてもチームとしても、すごくいいゴールになった。タイもすごくしつこいディフェンスで、ゴール前は3枚4枚で守ってくる中で、しっかりと3点取れたことはオフェンス陣に取って良かったと思う。今大会の目標は優勝だが、全試合無失点に抑えて、たとえ金メダルに届かなかったとしても、「日本はすごく嫌なディフェンスだな。なかなか楽にシュートを打たせてもらえない」というような日本に対して嫌なイメージを植え付けられるようにしたい。それが11月の世界選手権や、来年のリオデジャネイロパラリンピック予選にもつながっていくので、それを最大のテーマとしてやっている。今後は中国、イラン、韓国と残り厳しい戦いになるが、ゼロで抑えて、少ないチャンスを決められるかどうかが重要。明日の中国戦は観ている人は、中国がイニシアティブをもっていると感じると思うが、実は日本が持たせているというようなゲームにしたい。


○ゴールボール女子コメント
江黑直樹ヘッドコーチ
「韓国戦での一番のポイントは、若手がどれだけこの舞台で力を出すことができるかにあった。浦田と安達がいると、どうしても2人に甘えてしまう。次の世代の選手たちがもっとレベルアップしていかなければならないので、若手でいこうと。3人(若杉遥、欠端映子、天摩由貴)とも動きがかたくて、こちらがドキドキしたが、これを超えないと次にはけないわけだから、良かったと思う」

天摩由貴
「(今大会初のスタメン出場で)すごく緊張していて、アップの時から動きがかたいと自分でも感じていた。でも、みんなから声をかけてもらったので、自分のやるべきことをやろうと思いながらコートに立った。ただ、緊張からか体が思うように動かず、狙っているボールが投げられなかった。失点をしなかったということは良かったが......(力が出せず)悔しい。次に出してもらった時に今日と同じではダメだと思うので、今度はもうひとつ上にいけるようにしたい」


(文・写真/スポーツコミュニケーションズ 斎藤寿子)