編集長コラム

障害者スポーツのおもしろさを求め、現場へ

第17回 「障害者スポーツ」という名称の光と影

  最近「障害者スポーツ」という呼称に違和感を持つようになりました。このコラムのタイトルを「障害者スポーツの現場から」とつけたものの、私の中でその違和感がどんどん膨らんできているのです。様々な場面で、パラリンピアンが自身の競技のことを「障害者スポーツ」と言っているのを聞いていても、彼らのトップアスリートぶりと、「障害者スポーツ」という言葉の間に違和感を抱くこともしばしばです。そこで、今回はこの「障害者スポーツ」という言葉について考えてみます。

 前回、このコラムで私は、<パラリンピックはもはやオリンピックにひけをとらないほど「超エリートスポーツ」と化しています。>と述べました。つまり、「障害者スポーツ」が「スポーツ」として認められる時代になってきているということです。その代表的な例が、昨年8月の陸上世界選手権で、義足ランナーとして初めて出場したオスカー・ピストリウスです。実は、世界選手権以降、障害者スポーツの関係者でも、またスポーツの関係者でもない方から、彼の名を聞くことがしばしばあるのです。これまでは「障害者スポーツ」と言っても、誰ひとりとして名前が挙がらないことがほとんどでした。それが、海外の選手であるピストリウスの名が出てくるようになったのです。

 しかも「義足であれだけ走るなんて、すごいよね」と、彼の身体能力の高さを評価する意見が多い。これまでは「義足」=「障害者スポーツ」=「スポーツとは別のもの」という認識があった人たちの中にも、ピストリウスのあの走りを見て、「義足」でもトップアスリートとなり得るんだ、さらには、「義足」で「スポーツ」をする、という考えが高まってきているということでしょう。まさに「障害者スポーツ」が「スポーツ」として認識されつつあることを示している現象です。


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伊藤 数子(いとう かずこ)

挑戦者たち編集長
/NPO法人STAND代表理事

新潟県生まれ。1991年に車いす陸上を観戦したことがきっかけとなり、障害者スポーツの振興に携わるようになる。未来に向けて次代の選手・ファンを拡げていくために、障害者スポーツのスポーツとしてのおもしろさを伝えるウェブサイト「挑戦者たち」、障害者スポーツ競技大会のインターネットライブ中継「モバチュウ」、障害者スポーツ体験会などの事業を企業・団体と協働で展開している。2012年ロンドンパラリンピックでは日本選手たちの挑戦を伝えるウェブサイト「The Road to London」を開幕1年前に開設した。著書に「ようこそ、障害者スポーツへ -パラリンピックを目指すアスリートたち-」(廣済堂出版)など。

ロンドン2012パラリンピック 日本選手たちの挑戦 「The Road to London」

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