応援メッセージ


私はこれまで20年間、スペシャルオリンピックスの活動を通し、知的障がい者にスポーツトレーニングと競技の場を提供するボランティア活動をしてきました。その中で苦労した事は、2年毎に開催される世界大会の選手派遣費用等の資金集め、知的障がい者への無理解をどう克服するかでした。
先日「障害者基本法」が施行され、早ければ平成25年にはスポーツ庁も設置されます。国際的なスポーツ振興は諸外国でも国家戦略の一つですから、障がい者スポーツを国が予算面で支援するという事は大きな前進です。
前回の北京五輪・パラリンピックでは、ボランティア志望者が100万人を超え、パラリンピックのボランティアだけでも4万人が協力してくれたと言います。これだけの方がボランティアとパラリンピックに関心を持ってくれたという事は、間違いなく社会が成熟してきた証拠です。
パラリンピックの選手達は好成績を収める為に日々練習に励んでおられる事でしょう。スペシャルオリンピックスは理念が異なり、各自が設定した目標に向かって、昨日より今日ベストを尽くす人が勝利者となります。メダル獲得は勿論素晴らしいですが、努力を続けるその過程も大事です。スポーツを通して得られる達成感、自信は確実に人間力を向上させてくれます。
ロンドン・パラリンピックまでの1年が、関係者の皆様にとって充実した時となり、誰もが素敵な笑顔で大会を終了できます事を心よりお祈りしております。
<細川佳代子(ほそかわ・かよこ)プロフィール> 1994年スペシャルオリンピックス日本を設立。知的発達障がいのある人の自立と社会参加を日常的なスポーツを通して実現する活動を行っている。2005年2月の「スペシャルオリンピックス冬季世界大会」では大会会長を務め、現在はスペシャルオリンピックスの理念を広げるために日本各地で普及啓発活動を行い、障がい、性別、年齢等を超え、共に生きる喜びを感じる社会の実現を目指している。認定NPO法人スペシャルオリンピックス日本 名誉会長。日本フロアホッケー連盟 会長。NPO法人勇気の翼インクルージョン2015 理事長。