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水泳・木村敬一、3冠達成 ~アジアパラ競技大会~

 アジアパラ競技大会第5日の22日は、水泳の男子キャプテンを務める木村敬一(東京ガス)が、100メートル平泳ぎ(視覚障害)で優勝。これで50メートルおよび100メートル自由形とあわせて3冠を達成した。また、100メートル背泳ぎ(運動機能障害)では江島大祐(シグマクシス)が金メダルを獲得した。

 車いすテニスでは男子シングルスで国枝慎吾(ユニクロ)と眞田卓(埼玉トヨペット)が準決勝でそれぞれストレート勝ちし、2016年リオデジャネイロパラリンピックの出場権をかけて決勝で対戦することが決まった。その2人でペアを組んだ男子ダブルスは決勝が行なわれ、地元韓国のペアを1ゲームも落とすことなくストレートで破り、金メダルを獲得した。

 一方、女子は世界ランキング1位の上地結衣(エイベックス)が準決勝で同15位のタイの選手にストレートで敗れる波乱が起きた。堂森佳南子(同)も準決勝で敗れ、女子は今大会でのリオパラリンピック出場権獲得はならなかった。上地、堂森は女子ダブルス決勝にも臨んだが、タイのペアにストレートで敗れて銀メダルとなった。

 陸上は女子円盤投げ(切断など)で加藤由希子(仙台大)が35メートル14の大会新記録で優勝。男子200メートル(切断など)では佐藤圭太(中京大)が制した。柔道はロンドンパラリンピック金メダリスト(100キロ超級)の正木健人(エイベックス)が銅メダルだった。

 自転車ロードレースでは、混合タンデムタイムトライアル(視覚障害)で鹿沼由理恵(メットライフ生命保険)が優勝し、2冠を達成。男子ハンドバイク個人タイムトライアル(運動機能障害)では奥村直彦が金メダルを獲得した。

 今大会初めて採用されたウィルチェアーラグビーは、決勝で地元の韓国と対戦し、60-40で快勝し、金メダルに輝いた。大会連覇を狙う車椅子バスケットボール男子は準決勝でイランと対戦し、延長戦の末に制して決勝にコマを進めた。決勝では初戦、1点差で敗れた韓国と対戦する。

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○木村敬一コメント
「前半の入りは良かったが、後半で粘ることができなかった。ベストの時と比べると、パワーに頼りすぎているかなという感じがするが、それでも8月のパンパシフィック選手権の時よりはいい記録だったので、少し泳ぎが修正されたかなという気はしている。(今回、世界選手権記録をもつ中国の選手は出てこなかったが)勝負はパラリンピックだと思っているので、いつでも戦える準備をしていきたい」

○車椅子バスケットボール男子コメント
及川晋平ヘッドコーチ
「(選手たちには)壁をひとつ破ることができたことは自信にしてほしいと思う。前半で12人全員を使ったので、エネルギーを分散することができた。だからこそ、最後の最後に力を残すことができた。(3点差で残り34秒でタイムアウトをとった時は)スリーポイントを狙うのではなく、早めのツーポイントでいこうと指示を出した。そしたら香西(宏昭)がドライブしてバスケットカウントをもらったので、『なるほど、すごいな。よくやるなぁ』と思った(笑)。イランはファウルが多いので、フリースローが勝敗を分けると考えていたが、(この試合では)34本中26本と76%の確率でフリースローを入れたことが大きかった。(決勝の韓国戦は)やることは今まで通り変わらない。相手がどうのというよりも、日本がしっかりと精度の高いバスケットをできるかどうか。それが勝敗を分けるポイントになる」

藤本怜央キャプテン
「(イランの)高さとスピードに押された試合となったが、前半を3点差で折り返すことができたことが大きかった。後半もしっかりと自分たちのリズムとテンポをとって入ることができた。相手のファウルトラブルを誘いながらチームで連携して点を取りにいって、ディフェンスでもしっかりと守ることができたのが勝因。(初戦で敗れた)韓国にもう一度挑戦するという強い気持ちが、(イラン戦で)最後まで集中力を切らさずに勝つためのプレーにフォーカスできた要因だったと思う。(決勝で対戦する)韓国は力をつけてきていて、力強いバスケをしている。その中で僕たちは挑戦者として、韓国に胸を借りる気持ちで、今大会で積み上げてきた精度の高いバスケットで挑みたい」


(文・写真/スポーツコミュニケーションズ 斎藤寿子)